治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「“犠牲者”をこれ以上、増やしてどうするんですか」
彼がやることは許せなかった。
こちらの都合で殺すとあっては、彼もあいつらと変わらない存在となってしまう。
そんなのは嫌だった。
「私は、そんなのをあなたに望んでいません。あなたの動機が、私が狙われたからという――私のためにくることなら、止めてください。
その“私”が、『もういい』と言っているのですから」
「………」
彼が目を瞑る。
何秒か思案したようで、ゆっくりと目を開けるなり。
「分かった、殺さないであげよう。あいつらは、警察に引き渡す」
私と彼の意見が一致した。
安心をする。
自分の主張が分かってもらえて、今まで話していた時の緊張が一気になくなった。