治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


彼はと言えば、話が済むなりまた視線を奴らに置く。


どうしたものか、という感じのため息を聞いて。


「連れて行くのは面倒だ。素晴らしきハネムーンにハエはいらない」


え、と私が言う前――彼は足で地を擦った。


子供がふざけて地面に落書きをしたみたいに、彼は地に丸を描いた。



「貴様ら、助けてほしくば一つにまとまれ。きつくきつく、隙間ないほどにまとまっておけ」


丸を描いた後のこと。
助けてもらえる、という言葉に反応した奴らは訳が分からないなりにも指示に従った。


怯えてもう使いものにならないお頭に集まり、身を寄せ合う姿は寒さをしのごうとする難民にも見えた。


「シブリールさん、何を……」


「安心して。俺は君との約束はきちんと守るし、嘘だってつかない」


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