ばいばい
あたしの視線の先には、さっちゃんがいた。
松宮 皐月(マツミヤサツキ)。
周りを見ていて、相談事には真面目にのってくれる。
あたしは《さっちゃん》、美波は《さっつー》って呼んでる。
美波と同じ中学からの友達。
「さっつー、おはよ~!」
美波がさっちゃんに飛び込んだ。
「…相変わらず、元気だね。
それよりも、こと、ショックだったんじゃない?」
「ショックだったけど、大丈夫!」
さっちゃんは格好良くて、なんでも聞いてくれる優しい子。
「ごめんね?
あたしが同じクラスで…。
今すぐ代わってあげたいよ。」
「やーだ!ことは美波の♪」
美波があたしの腕に腕を絡めた。
さっちゃんは笑ながら「わかったよ。」と言った。
そして、チャイムと同時に帰っていった。