からっぽな街
「あれー。ないよー。」
「だいじょうぶ。絶対あるから。あるから。これは?」
「違うー。」
いくつもの、リュックを何度も見た。
「ないー。寒いー。ないよー。」
泣き出しそうな顔をする、ちゃちゃが、かわいそうで仕方なくなる。
「ほら、寒かったら、これ、貸してあげるから。大きいけど、私のパーカー着よう。ね?」
「ないー。」
あららら。泣き出してしまった。
「ゆん、どうしよう?」
リッツが、慌てて駆け寄り、ちゃちゃの頭を撫でる。ニケは、おどおどとしてしまっている。
「うっく。無いよう。着替えとか、入ってるのにー。うっく。お母さんに、怒られちゃうよう。うっく、ひっく。」
べしょべしょと、泣き出す。しゃがんで、ちゃちゃの涙をタオルで、拭いてやる
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