隣の先輩
「へえ」
そんなこと私には別に関係ないから、適当に返事をする。そして、部屋に戻った。
先輩につかまれた右の手首を、今度は自分でつかんでいた。
「私はそれどころじゃないんだけどな」
そのとき、頭を過ぎったのはさっきの先輩の表情と、私が思ったことだった。
どうして先輩は私に待っていろなんて言ったんだろうということ。
今までそんなことを言うことはなかった気がする。
いつもと今日の違いは帰りが比較的遅かった。
「帰りが遅くなって不審者に会わないため、か。まさかね」
自分で言って、自分で否定する。
先輩がそこまで私を心配する理由も、気にかける理由もないからだ。
そんなことはないだろうけど、ほんの少しでも先輩にそんな気持ちがあったらそれはそれで嬉しいかもしれない。
そんなこと私には別に関係ないから、適当に返事をする。そして、部屋に戻った。
先輩につかまれた右の手首を、今度は自分でつかんでいた。
「私はそれどころじゃないんだけどな」
そのとき、頭を過ぎったのはさっきの先輩の表情と、私が思ったことだった。
どうして先輩は私に待っていろなんて言ったんだろうということ。
今までそんなことを言うことはなかった気がする。
いつもと今日の違いは帰りが比較的遅かった。
「帰りが遅くなって不審者に会わないため、か。まさかね」
自分で言って、自分で否定する。
先輩がそこまで私を心配する理由も、気にかける理由もないからだ。
そんなことはないだろうけど、ほんの少しでも先輩にそんな気持ちがあったらそれはそれで嬉しいかもしれない。