隣の先輩
 もう、どうすることもできなかった。


 好きでたまらなかった。


 打ちあがる花火が鮮やかで、それが余計に切なくて。


 自分から逃げてきたくせに、先輩が誰かとこの花火を見ているかもしれないと思うと、


 苦しくてたまらなかった。



 先輩、あなたは今、誰と花火を見ていますか?



 そう問いかけたとき、私の目から涙がこぼれてくるのが分かった。
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