隣の先輩
西原先輩は依田先輩がつかまえておいてくれるらしく、焦って先輩を探しに行ったりしないでいいのはラッキーなのかもしれない。
私たちがいたのは、先輩たちと前に一度ごはんを食べた場所だった。
なんとなく卒業式というこの日でも静かなこの場所はどこかほっとする。
「今日はごめんね」
私はボーっと辺りを見渡していた咲にそう告げた。
「いいよ。私も今日学校に来たかったから」
彼女はそう言うと、目を細めていた。
彼女は前言っていた好きな人に告白もしていないんだろう。
その人は今年卒業してしまうのかも私は知らないままだった。
でも、無理に聞くことはできなかった。
しばらく経って、愛理の携帯が鳴る。彼女は携帯を見ると、息を吐いた。
「行こうか」
「行くってどこへ?」
「お兄ちゃんたちの教室。今は誰もいないんだって」
「教室って入っていいの?」
「いいよ。誰もいないしね」
「でも」
「でも、じゃないの。一度見てみたいでしょう? 西原先輩が一年間過ごした教室」
その言葉に反論できなくなる。
愛理は私のツボをしっかりとついてくる。
確かに見たい。
私たちがいたのは、先輩たちと前に一度ごはんを食べた場所だった。
なんとなく卒業式というこの日でも静かなこの場所はどこかほっとする。
「今日はごめんね」
私はボーっと辺りを見渡していた咲にそう告げた。
「いいよ。私も今日学校に来たかったから」
彼女はそう言うと、目を細めていた。
彼女は前言っていた好きな人に告白もしていないんだろう。
その人は今年卒業してしまうのかも私は知らないままだった。
でも、無理に聞くことはできなかった。
しばらく経って、愛理の携帯が鳴る。彼女は携帯を見ると、息を吐いた。
「行こうか」
「行くってどこへ?」
「お兄ちゃんたちの教室。今は誰もいないんだって」
「教室って入っていいの?」
「いいよ。誰もいないしね」
「でも」
「でも、じゃないの。一度見てみたいでしょう? 西原先輩が一年間過ごした教室」
その言葉に反論できなくなる。
愛理は私のツボをしっかりとついてくる。
確かに見たい。