僕 の 愛 し い 人 [ホラー]
『警察だ!』

さあ‥私の演技の始まりだ。

『‥助け‥て‥』

『麻倉 雪梛さんですね?!』

『そ‥うです』

私は警官に支えられながら手に力を込め警官の腕を握り締めた。

『せ‥いあ‥ちゃんが‥‥!
どうしよう‥‥‥私が‥刺し‥‥ちゃっ‥の!』

涙をボロボロ流しながら私は叫ぶ。

『大丈夫ですから!
落ち着いて下さい!』

警官は私を抱き抱え部屋の外へと運び出された。

『せ‥‥‥‥な‥‥
雪梛!!!!!!!!!!!!』

私の‥愛しい愛しい琉輝星が私に駆け寄る。

『るき‥あ?
桜は‥桜は大丈‥夫?』

『せなぁ!!
大丈夫?!
血が‥血が出てる!
どうしたの?!
刺されたの?!』

桜が泣きながら私の手を握る。

私はタンカーに乗せられ運ばれながら桜に言った。

『無事で‥よかったぁ‥‥』
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