My fair Lady~マイフェアレディ~
それに二人は妙に納得したような顔をした。男が視線で何かカイトに指示をする。それに頷くとカイトはゆっくり丁寧に俺に話しかけてきた。

「ユウ。このおじさんはな。警察の人だぞ。ユウを助けてくれた人。治療してくれた人だぞ」

言われて俺はそのおじさんを見る。
おじさんはニッコリと優しい笑顔を浮かべてヒラヒラと手を振っていた。

「んでな、この点滴を取るんだけど、おじさん、ユウが泣くから近づけないんだ。ユウ、おじさん近づいても泣かない?」

「……うん」

「すぐに済むよ」

おじさんは腕についてるテープを剥がして何かを外す。血が逆流したのが見えた。フワリと液に紛れ込む血液。
そしてにゅるりと出てきた針。
そこにテープをピッと張って簡単にそれは終わった。
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