My fair Lady～マイフェアレディ～
外に出ると、目の前にいつもの真っ黒な彼の車があった。
彼はそれの後ろの席に入っていった。

「パパン…？」

パタンッとドアを閉めてしまう彼に運転は…？と言う視線を送る。彼は微笑んだまま「ん？」と伝わらなかったのか俺の髪を撫でる。
すると、前から声が聞こえてきた。

「ユウ、平気なのか？」

カチャッとエンジンをかけながら話しかけて来たのはネオードだった。

「ネオ…。平気…ありがと」

ネオードは「ん、」と返事をして車を発進させた。


車は無言の中は走り続けた。そして家の前に着く。
彼は俺を抱いたまま家の中に入った。
ネオードはそのまま車を動かし裏に置きに行った。


中は明かりが着いていてとても温かかった。
彼は椅子に俺を降ろした。そして俺の前に膝をつく。

「ユウ、足を見せてごらん？」

優しい口調がなんだかくすぐったい。俺はズボンを履いていないので長いシャツを捲り上げて太ももを出す。彼は壊れ物を扱うように優しく触れてきた。

「まだ痛むか？」

「もう平気」

そう言うと、彼はビッと包帯を止めていたテープを剥がして、クルクルと解いていった。

「一応、傷見るぞ。それからネオードに風呂に入れてもらえ」

「うん…」

包帯を取ると、彼はその内股を見た。赤い線が目に入ってその周りは消毒なのか黄色い粉のようなものが覆いかぶさっていた。

「ああ、よかった。そんなに深くないな」

ガチャリと彼の言葉の後に玄関の音がして、ネオードが入ってきた。

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