My fair Lady~マイフェアレディ~
「パパン…」
俺は彼の胸に抱き付く。頬を摺り寄せて、そして彼の目を覗き込んだ。彼もまた俺を見ていた。
手を延ばす。彼の頬に触れて。彼の手も俺の腰を持ちグッと引き寄せられる。
心臓が鳴る。でもどこか頭は冷静だった。
口が、何かを呟こうとしていた。けれど、プルリと震えただけで、俺はその言葉を吐き出す事はしなかった。
何故か、決して言ってはいけないような気がした。
何を、言おうとしたのか。自分でもよくわかっていなかったくせに。
「なぁ、ユウ」
代わりに彼が俺に言う。
「俺を、愛しているか?」