My fair Lady~マイフェアレディ~
「ユウ…」
ネオードの呟くような声で俺の名を呼ぶ。俺は何か緊張を感じながら「なに?」と答えた。
「その、歌は…ロードが?」
「うん、子守唄に…歌ってくれるよ…?」
「……そうか」
ネオードは息を吐いた。瞬間、緊張が少し解れたように思える。
ネオードは俺の直ぐ傍まで来ると俺の隣に座った。
「なぁ、ユウ」
「ん~?」
俺は歌うのやめてネオードの方へ顔を向けた。しかし、ネオードの視線は俺に注がれていなかった。いつかの、遠い目をしていた。
「それ、どういう歌か知っているか?」
「え?」
「London bridge is falling down,
Falling down, falling down,
London bridge is falling down,
My fair Lady.」
ネオードの歌声。彼よりも低い声。彼の歌はとても痺れるように甘い。けどネオードの歌はどこか
悲しかった。