My fair Lady~マイフェアレディ~
「ユウ」
「なに?」
呼びかけられて俺はまた返事をする。ネオードはその耐えるような笑顔を浮かべたまま俺の頭を乱暴に撫でた。いつものように。
「悪いが、でっけーバスケットを取りに行ってくれないか?馬小屋の隣の俺の家。行っ
た事あるだろう?俺はロードの手伝いをする」
「うん、わかった!」
俺は頷くとすぐに草原を駆け出した。俺の後ろをネオードはいつまでも見つめていた。
そして俺の背が二周り程小さくなる頃。家のドアが開いた。
「へー。マイフェアレディは可愛いお嬢さんって意味だと思ってたぞ」
「そういう説もあるってだけだろ」
扉の奥で、彼はクスクスと喉奥で笑い、家の中へネオードを手招いた。