My fair Lady~マイフェアレディ~

「ユウ」

「なに?」

呼びかけられて俺はまた返事をする。ネオードはその耐えるような笑顔を浮かべたまま俺の頭を乱暴に撫でた。いつものように。

「悪いが、でっけーバスケットを取りに行ってくれないか?馬小屋の隣の俺の家。行っ
た事あるだろう?俺はロードの手伝いをする」

「うん、わかった!」


俺は頷くとすぐに草原を駆け出した。俺の後ろをネオードはいつまでも見つめていた。


そして俺の背が二周り程小さくなる頃。家のドアが開いた。


「へー。マイフェアレディは可愛いお嬢さんって意味だと思ってたぞ」

「そういう説もあるってだけだろ」


扉の奥で、彼はクスクスと喉奥で笑い、家の中へネオードを手招いた。


< 163 / 509 >

この作品をシェア

pagetop