My fair Lady～マイフェアレディ～
俺は走っていくと、俺の愛馬のランがヒヒン！と嬉しそうに唸った。俺も手を振ってランのいる剥き出しの馬小屋に向った。

「ラン！久しぶり！！」

ランの頬を撫でてから俺は、ネオードの家に向う。ネオードの家の近くには大きな畑があった。そこでおばさん達が何やら、忙しそうに働いていた。

「おはようございます～！！」

俺が、大きな声で挨拶すると、向こうも笑いながら挨拶を返してくれた。
そして一人のお婆さんが俺に近寄って来る。

「ユウちゃん。こんな朝早くから珍しいねぇ。どこかに行くのかい？」

俺はお婆さんに「はい！」と元気よく返事をする。お婆さんは大きく腰が曲がっていて、手もボコボコしていた。でもとても優しい笑顔の人だった。

「パパンとネオと俺の３人でピクニックに行くんです！！」

「そうかい。そうかい。いいねぇ～」

お婆さんは俺にお菓子をくれた。俺はそれにお礼を言うとお婆さんはさらに話を続けた。

「そういえば、ユウちゃん。最近物騒なんだってねえ…知ってる？」

「ああ、はい」

もう被害にあってます。なんて言えずに、俺は曖昧に返事をした。お婆さんは気にした様子もなく腰を痛そうにトントンと叩くと、近くにあったベンチによいしょと座った。そして持っていた軍手を横に置いてゆったりと話す。
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表紙・目次

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