My fair Lady~マイフェアレディ~

「まったく嫌な世の中だねぇ。ホラ、最近のなんだっけ。腕だけ出たとかなんとか…」

「ああ、あったね。そんなの」

俺はカイトの言葉を思い出していた。そういえばカイトにお礼を言ってないなぁ。

「最近亡霊の話も多いねぇ」

「亡霊?」

カイトのことを考えていると、聞いたこともない話が出てきて、俺の思考はお婆さんの話しに集中した。

「ああ、何でも呻き声だとか。黒い何かだか。何かを訴えているらしいよ。あたしゃ詳しくは知らんがねぇ」

お婆さんはふう、と一つ溜息を付くと、すぐに話を切り替えて。「そういえば、ユウちゃんここには何しに来たんだい?」と言われて俺はハッとした。

「ああ!ネオに頼まれごとされてたんだった!!早くしなきゃ!!」


俺は大慌てで支度をした。
お婆さんはそんな俺をニコニコと見ていた。俺は最後にさよなら!と言って彼らの元に向って行った。

< 165 / 509 >

この作品をシェア

pagetop