感情の樹


ローラを見てると、
封じたはずの感情が
溢れるように湧いてくる。

ぼくはそれを必死に
押し込む。

もう、傷つきたくない。
大切なものを
失いたくないんだ。


その日から、ぼくは
ローラの家に住むようになった。
忘れずに、もらった種を
植えて育てた。


ローラはやっぱり
ぼくと似ていた。

両親はすでに
亡くなっていて
叔母がたまに
様子を見に来るだけだ。

家事も仕事も
今までローラは
一人でこなしていた。

ぼくと歳は変わらないのに。
ぼくより大変な思いをしてた。
ぼくは、世界で1番
不幸だと思ってた。

馬鹿だ、ぼくは。

本当に、馬鹿だ。

ごめんね、ローラ。



あのおじいさんに
もらった種を
植えたところを
見に行くと
少しだけ芽が生えていた。


< 22 / 34 >

この作品をシェア

pagetop