感情の樹
『まあ、あくまでも私が思っただけだけどね』
ローラは笑って、
休めていた箸を
再び動かした。
昼ご飯を食べ終えたあと、
ぼくはあの種の
植えてある所へ行った。
この樹は、成長が早い。
ついこの間まで
芽だったのに、
もうぼくの身長まで伸びてる。
まさか、ローラが
思ったこと…
本当にそうなのだろうか?
そうだとしたら…
ぼくには不都合だ。
なんせ、ぼくは
「感情を失った」
のではなく
「感情を捨てた」
のだから。
…まあ、ローラが
言ってた話も
本当かどうか定かではない。
ローラを疑ってる訳ではないけれど…
ぼくが、信じたくないだけだった。