シュガーベイビー★キス
スタジオの中は天井も高ければスペースも広い。おまけにクレーンや、カメラ、照明と言った機材が所狭しと置いてあって、ここで撮影が行われていることを実感する。


大道具の人たちがセットを組み立てている。セットとは言え、かなりリアルな作りだ。





「で、今日は何のドラマ。」


「火10の、ギャルデカ。」





ああ…神戸がギャル役でどうとか言う悠太の好きなやつか。




だからセットが教室なわけね。




「真白。」




そう呼ばれ俺と奏は同時に声のする方に顔を向けた。



そこに立っていたのは、黒髪ロングでスタイルのいい女性…まさにバリバリのキャリアウーマンですっていうたたずまい。




「おう。水川。お疲れ。」



知り合いか?



奏と“水川”という名前の女性は手帳のようなものを見ながら何か話している様子。




しばらくすると、水川さんが俺に目を向けた。



「…そちらは?新人の子?」



「あぁ、これはウチの弟で泉。今日はまあ、なんつーか…社会科見学ってことで。」



「どうも…」



紹介されたのでとりあえず軽くお辞儀をした。



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