さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「お姉ちゃん!」
カマラが重心を崩し、ゆっくりと左に傾く。
「きゃあ!!」
二人の体が、地面に引き寄せられるようにドサリと音をたてて落下した。
「つっ!」
左半身に激痛が走り、全身が鉛のように重い。
しかし、すぐに気を取り直すと、
「お姉ちゃん!」
カマラに近づいた。
血だわ!
カマラの左肩に刺さった矢は、落馬の衝撃で折れてはいたが、
先端は突き刺さったまま胸の方まで貫通している。
「しっかりして!」
恐ろしくて震えながらも、レイラは地面に座り込み、カマラの体を抱き起こした。