さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「うぅ、レイラ。逃げなさい。早く!」
「そんな!お姉ちゃんを置いて行けないよ!」
「捕まれば、縛り首になる。行きなさい!」
「いやよ!行かない!」
十数人の兵士が、馬上からそれぞれに剣を構え二人を取り囲んだ。
・・だめか。レイラだけでもなんとか助けてやりたかったのに。
何頭ものすらりとした馬の足が目に入って、カマラは観念した。
徐々に薄暗くなる視界の真ん中に、泣きじゃくる妹の顔がうつる。
・・ごめん、レイラ。
カマラは意識を手放した。