★まいんどはーと★

『胡桃になに、してんだー!!』



…へっ?



『……ぐぇ?!』




目の前にいたはずの男子がいつの間にか
消えていた。



『あたしの、胡桃に手ぇだしてんじゃないよ!』




『る、るんちゃん…』



可憐に跳び蹴りを決めたるんちゃんは
決め台詞のように言った。




『るんちゃん…あり』



『お前、だれの断りもなく胡桃にさわってんだよ?あぁ…?』




…………。




危ない言葉を聞いた事を
流しながら、あたしはるんちゃんの所に
駆け寄った。



いつの間にか



るんちゃんは、その男子が倒れている事を
いいことに馬乗りして胸ぐらを掴んでいた。




『る、るんちゃん!あたしは大丈夫だから、だからやめて!』



なんか、分かんないけど…
るんちゃん殺す勢いだ



『大丈夫じゃないだろ、胡桃。酷い事言われたろ!』




?!



『るんちゃん、…聞いてたの?』




『いや、聞こえたんだ。』




自信たっぷりにそう言う



…るんちゃん、それを
聞いてたって言うんだよ。





『おい、お前!誰だかしらないが。あたしが一緒に居たいから一緒にだけだ、お前らが決める事じゃないんだよ!』



るんちゃん…



るんちゃん、カッコいい




あたしはこの時、るんちゃんが王子様
に見えた。



『おい、なんとか言え!』



さっきよりも、力強く
胸ぐらを掴む。





『本当に、もういいから、るんちゃんやめ…』



『いい…。』



え?




『はぁ?何だよ?』





『いい…!るん様もっと、いじめてください!』





?!?!



その後、るんちゃんが鋭い蹴りを
くらわせたのは、言うまでもない…。






____________…………





それからるんちゃんは、るんちゃんのファンや
るんちゃんを見て騒ぐ人達を閃光の睨みをするようになり、いつしか嫌うようになった。







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