龍馬! ~日本を今一度洗濯いたし候~
「まんじゅうの形はどうでもいいき。舌を出して餡がなめられればいいんじゃきにな」
龍馬はいった。餡とは本質であり、利益のことだ。
後藤とは会ったが、多くは語らず、龍馬は去った。そんな龍馬に、浅黒い顔の中岡慎太郎というやつが訪ねてきた。
(いいやつがきたきに)
中岡慎太郎は「海援隊じゃけでは片落ちじゃ。陸援隊もつくるべきじゃ」といった。
「それはいいきにな」
龍馬は頷いた。その陸援隊の隊長をこの中岡慎太郎にさせればよい。
時代は刻々とかわっていく。
その岐路は孝明天皇の死だった。十二月十二日に風邪をひいて、寝込んでいたが、汗を沢山かき、やがて天然痘の症状がでた。染るのではないか……公家たちは恐れた。
孝明天皇は最大の佐幕派であった。
その孝明天皇の崩御は、幕末最大の衝撃だった。龍馬は残念がった。
しかし「これで維新の夜が明けるぜよ!」とも思った。
土佐藩は書状で、土佐藩に戻るように、と請求してきた。
「今更なにをいってやがる!」
龍馬は土佐屋の奥座敷でそれを読み、まるめてポイと捨てた。藩というものの尊大さ、傲慢さに腹が立ったのである。
「海援隊」はついに成った。
海援隊の規律、船中八策には、
第一策 天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令よろしく朝廷より出すべき候
第二策 上下議員政局を設け、議員を置いて万策を参議で、決定する候
……… 他
と、ある。