龍馬! ~日本を今一度洗濯いたし候~
 龍馬は続ける。「わしは日本を生まれかわらせたかったんじゃきに。生まれかわった日本で栄達するつもりはない。こういう心境でなきゃ大事業ちゅうもんはできんき。わしがそういう心境でいたからこそ、一介の浪人にすぎなかったわしのいうことを皆がきいてくれたんぜよ。大事を成し遂げたのも、そのおかげじゃ。
 仕事ちゅうもんは全部やっちゅうのはいかんきに。八分までていい。あとの二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまうといいきに」
 龍馬は二本松邸の西郷吉之助(隆盛)の元へいった。
「坂本くんでごわさんか」
 西郷は笑顔になった。「西郷先生、新政府頼みまするぞ」
「じゃっどん、なにごぜ新政府の名簿におんしの名がないのでごわす?」
「わしは役人になりたくないのですき。わしは「海援隊」で世界にでるぜよ」
「そげなこついうて……世界とばいうとがか?」
「そう世界じゃきに」
「坂本さんは面白いひとでごわすな?」西郷は笑った。
「西郷先生、旧幕臣たちが会津や蝦夷(北海道)にまでいっちゅうから早めに平和利にかたずけて……新政府で日本をいい国にしてもうせ」
 龍馬はしんみりいった。
 西郷は「なにごて。まるで別れをいってるようでごわすな。本当に世界にいくのでごわすか?」と妙な顔になりいった。
 龍馬は答えなかった。
 龍馬が考えた新政府のメンバーは以下である。

 関白 三条実美
 参議   西郷隆盛(薩摩)板垣退助(土佐)大隈重信(佐賀)
 大蔵卿  大久保利道(薩摩)   
 文部卿  大木喬任(佐賀)    
 大蔵大輔 井上馨(長州)
 文部大輔 後藤象二郎(土佐)
 司法大輔 佐々木高行(土佐)       
 宮内大輔 万里小路博房(公家)
 外務大輔 寺島宗則(薩摩)
      木戸考允(長州)
            他


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