龍馬! ~日本を今一度洗濯いたし候~

 勝海舟(麟太郎)がいうと、以蔵が「じゃきに、先生。わしらが浪人を追っ払わなければ先生は殺されたがったぜよ」と笑った。
 龍馬が「勝先生は直心影流の剣の達人ぜよ。失礼は許さんぜよ」
「先生はいつも剣の鍔と鞘を紐で結んでるがぜ。達人でも剣が抜けなければダメじゃきに」 勝海舟は苦笑いを浮かべて「てやんでい…はははは」と笑った。「その通りだ! しかし以蔵さんよひと斬りはいかんぞ。本物の武士がするこっちゃねぇ。これからは勝の弟子の岡田でいてくれ」
  京で、麟太郎は長州藩の連中と対談した。
「今わが国より艦船を出だして、広くアジア諸国の主に説き、縦横連合して共に海軍を盛大にし、互いに有無を通じ合い、学術を研究しなければ、ヨーロッパ人に蹂躙されるのみですよ。まず初めに隣国の朝鮮と協調し、次に支那に及ぶことですね」
 桂たちは、麟太郎の意見にことごとく同意した。
 麟太郎はそれからも精力的に活動していく。幕府に資金援助を要求し、人材を広く集め、育成しだした。だが、麟太郎は出世を辞退している。「偉くなりたくて活動してるんじゃねぇぜ、俺は」そういう思いだった。
 そんな中、宮中で公家たちによる暗殺未遂事件があった。
 千葉さな子は短刀をもって龍馬の所へきた。「さな子を龍馬さまのお嫁さまにしてくだされ! でなければさな子はこれで死にまする!」龍馬は焦って、
「さな子殿! わしは誰とも結婚せん! わしはこの国を回天差せるんじゃきに!」
 というばかりだ。                               

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