現実アクションゲーム
「……」


爆発しない。安全エリア……!


「助かった……」


安堵の息を漏らす蓮。


「じゃあ、二葉さん。蓮君の後に続いて。その位置なら、蓮君と同じルートを辿れば脱出できる」


守が笑顔で言う。


「次、渚さん。一歩、右に進んで」


「嫌よ!」


その意外な返答に、驚く一同。


「渚……守の言うことを聞いてくれねぇか?」


直樹が困った顔で言う。


「黙りなさいよ、直樹!あんた、何様のつもりよ!リーダーぶって!」


「何だよ渚、急に……」


「気安く呼び捨てしないでよ!さっき出会ったばっかりでしょ!」


「お前だって、俺を呼び捨てしてるだろうが」


「おいおいお前ら、ケンカすんなよ」


それを、蓮が制する。


「蓮とか言う奴!あんたに言われたくないわよ!あんただって、さっき直樹や守とケンカしてただろ!ほっといてよ、もう!」


泣きながらその場にしゃがみ込む渚。それを見て、蓮がタメ息をついて言った。


「じゃあ、ほっとこうぜ」


その蓮の言葉に、全員が蓮を見た。


「ほっときゃいいだろ。ほっといてくれって言ってんだから。守、次の指示をくれ」


「ちょっと、蓮君」


後ろから、二葉が声を掛ける。


「大丈夫だよ、二葉。あいつ、怖がってるだけだって。見てろ」


蓮はニヤッとすると、守にウインクしてアゴで合図を出した。


守は、蓮に何か作戦があると察知して、次の指示を始めた。
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