現実アクションゲーム
「殺す……ぶっ殺してやる!」


その目は冷たく、殺人鬼そのものだった。


しばらく壁に押されていた蓮は、力いっぱい自分の手で泳ぎだした。


「おちょくりやがって!出てこいよ、首謀者!殺し合いだ、オラ!」


叫ぶ蓮。悔しすぎて、また涙が出てきた。


どんどん壁を離していく蓮。


アドレナリンが体を巡る。かつて、こんなにムカついたことはあっただろうか。


しばらくすると、円形の大広間に出た。


大きさは、甲子園球場といったところか?


それと同時に、迫る壁が音を立てて止まった。


「……?」


キョロキョロと周りを見る蓮。そのときだった。


ゴゴゴゴゴゴ……


今度は、地面から何か巨大な物体が現れた。


尾っぽが見える。


これは……見たことがある。何か、魚だ。


いや……


サメだ。


それも、大きいなんてモノじゃない。


体長50メートル。それくらいはある。
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