現実アクションゲーム
移動ブロック
「蓮。辛いと思うが、今はクリアすることだけに専念してくれ」


「クリアすると……俺は……どうなるんだ?」


「プレイヤーが電源を切るだろう」


「つまり……」


「消えるということだ」


「じゃあ……ここで死のうが、クリアしようが、結局は消えちまうってことじゃねぇのかよ……」


「それは違う」


「どう違うんだよ!」


思わず怒鳴り声を上げる蓮。


「俺がそうはさせない」


「え……」


「話は、クリアしてからだ。消えたくなかったら、何としてでもクリアしてくれ」


「……」


まだ、よくわからない。


「拓馬、お前……どういう存在なんだ?何で、そこまで詳しいんだよ?」


「生きたければ、俺の言う通りにしてくれ」


拓馬はそう言うと、城の門を開けた。蓮も、それに続く。


……俺は、CG……


何で、CGなんかが意思を持ってるんだ。何で、俺なんだ。


色々考えたが、悩んでも仕様がない。


それはわかっているが、何かを考えずにはいられない。


地に足がついていないとはこういうことを言うのか。歩いているのに、まるで全身が浮いているようだ。


なぜか、手足も痺れている。心臓のドキドキが止まらない。
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