赤の世界
 
「なんで?!」

景の目が一瞬で丸くなる。

「景の話…解ったから」

そう告げると
景はいつもの優しい表情で
嬉しそうに笑った。





「なぁ、今日こそ家で飯食えよ!外にシオリいるかもしれないし」

冗談を言う顔もいつもの景。

ほっとして息をつくと
空腹だという事に気付いた。





「そうだね、今日は景に甘えるよ」

小さい頃から
よく遊びに行ってたのに

おばさんの料理を食べるのは
久しぶりの事だった。

久々の和食は
昨日食べたピザより
はるかにおいしいかった。





『もう会えない。今までごめん』





シオリにはそうメールして
その日は結局景の家に泊まった。


 
< 30 / 186 >

この作品をシェア

pagetop