魅惑のヴァンパイア
「エリザベス……」


ヴラドの様子が変わったことを、女の勘で一瞬にしてキャッチした。


私にも、女の勘が備わっていたことにびっくりした。


好きな人ができると、好きな人のことには敏感になってしまうらしい。


恋は不思議だ。


でも、こんなこと、気付きたくなかった。


ヴラドの腰に手を回し、自分の腰を近づける。


余りにも自然なその所作は、二人がただならぬ仲であることを物語っていた。


「あら、嫌とは言わせないわよ。最近冷たいのはこの子のせいなの?」


やだ、やめて……そんなに近付かないで。


エリザベスは、細く長い指を、ヴラドの頬に伝わせ、唇が触れそうになるくらい近付いて言った。


ヴラドは眉一つ動かさずに、エリザベスを見つめた。
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