魅惑のヴァンパイア
「おっと」


足に力が入らなくなり、フラっと倒れると、ピーターに抱きかかえられた。


「あ、す、すいません……」


「いや、全然」


優しい笑顔。


なんだか安心する。


「踊らないか? 僕らも一緒に」


「む、無理です! 私、ダンスなんてやったこと……」


「いいから、いいから」


手を引っ張られて、無理矢理ダンスフロアに連れ出された。


こうなったらもう、逃げることはできない。


とにかく必死にピーターに縋りついた。


「大丈夫、力を抜いて……。僕に任せてればいいから」

 
腰に手を回されて、わけも分からずステップを踏んだ。


何も分からなかったが、ただピーターに合わせて動いていればなんとかなった。


「ほら、もっとくっついて」


「で、でも……」
< 106 / 431 >

この作品をシェア

pagetop