魅惑のヴァンパイア
「こ……こんにちは」


執事の後ろから躊躇いがちに顔を出した少女。


白地のワンピースに身を包み、頬を赤くさせていた。


仮面を外した素顔は、ピーターが思っていたよりも幼かった。


初々しい肌と仕草。


純粋な出で立ちは男心を嫌でも擽らせる。


守ってあげたい願望と、その白いドレスをドロドロの欲望で汚したい欲望。


相反する欲望を沸き立たせる。


「やぁ、こんにちは。急に来て迷惑だったかな?」


ピーターは、心の中に抱く欲望を隠し、紳士的な笑顔で近付いた。


シャオンは、戸惑いながらも華奢な手を出し、ピーターの右手に包まれた。


「いえ……そんなことは……」


伏目がちに小さな声を出した。


言葉とは裏腹に、どうしていいか分からない様子が、ピーターには手に取るように分かった。


ぎゅっと手に力を込めてから、偽りの仮面を被るようにそっと手を離した。
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