魅惑のヴァンパイア
バドが一礼し、部屋を出ようとすると、シャオンは不安気な顔をバドに訴えた。


「お飲み物を持って参ります」


すぐに戻ってくる旨を伝えると、シャオンはホっとした表情を見せた。


分かりやすい女の子だ。まるで心の声が顔に描かれているようだ。


……これは、扱いやすい。


ピーターは、心の中でニヤリと微笑んだ。


「そんなに心配しなくていい。さぁここに座って」


ピーターはまるで自分の家のような態度で、シャオンを迎き入れた。


シャオンはおずおずと、テーブルを挟んで向い側の椅子に座った。


「今日はどのようなご用件で?」


「君に逢いに来た」


「え?」


明らかに動揺するシャオンを見て、もっと苛めたくなる気持ちを押し殺した。


「冗談だよ。ヴラドに用があって来たんだ」


もちろん、嘘。


それでもシャオンは安心して、ピーターを客人として受け入れた。
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