魅惑のヴァンパイア
「どうしてお前がここにいる!? 汚らわしき血め! 早く出てお行きなさい!」
さっきまで悲嘆にくれて泣いていたとは思えないほど、力強い声で怒りを露わにしていた。
どんどんヒステリーに怒っていく王妃を見て、逃げるように部屋を出た。
「申し訳ございません。王はあなたの父上でもあるのに……」
テイル大臣は、固く閉ざされた王の部屋の前で頭を下げた。
「いえ、いいんです。ほんの少し最後に見られただけで……」
顔は王妃の体に隠れて見えなかった。
けれど近くに行けたことで満足だった。
おそらく自分は葬儀にすら参加できない身の上……。
ヴラドと王の思い出は少なかった。
ヴラドが王宮から遠く離れた地で暮らすことになる前までは、王とはよく遊んでいた。
さっきまで悲嘆にくれて泣いていたとは思えないほど、力強い声で怒りを露わにしていた。
どんどんヒステリーに怒っていく王妃を見て、逃げるように部屋を出た。
「申し訳ございません。王はあなたの父上でもあるのに……」
テイル大臣は、固く閉ざされた王の部屋の前で頭を下げた。
「いえ、いいんです。ほんの少し最後に見られただけで……」
顔は王妃の体に隠れて見えなかった。
けれど近くに行けたことで満足だった。
おそらく自分は葬儀にすら参加できない身の上……。
ヴラドと王の思い出は少なかった。
ヴラドが王宮から遠く離れた地で暮らすことになる前までは、王とはよく遊んでいた。