魅惑のヴァンパイア
にやりと笑ったピーターを見て、ヴラドは顔をしかめた。


「……分かった。だが、くだらないことだったら無事では済まないぞ。聞いてしまったらお前にも迷惑がかかるかもしれん」


「大丈夫だ。とっておきの情報だ。お前、腰抜かすぞ?」


 ヴラドは、俺が腰を抜かすことなんて、世界がひっくり返ってもありえないと言いたげに、口角を少しだけ持ち上げた。


「ここでは人が多すぎる。奥のプライベートルームへ行こう」


 ヴラドの登場により、盛り上がりを見せてきた舞踏会だったが、二人の眉目秀麗な貴公子が奥の別室に姿を消すと、女たちの大きなため息が会場を包み込んだ。
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