魅惑のヴァンパイア
「ふんっ! こんなのいらぬ!」


 真っ赤に染まっている杯を、強引に女に返した。


 ――腐っているな、王宮内は。


幹部達は私利私欲の為だけに動き、国のことを考えている者などほんの一部だ。


未だにヴァンパイアになりきれなかった者達は迫害され、人間は愚かで汚い生き物とされている。


貧富の差は激しく、歯向かう者には力で制圧する。


知れば知る程、腐っている。


 これがヴァンパイアの最高幹部の実体か……。


そして俺は、それらの一番トップの王ときた。


ふん、聞いて呆れるな。


 ヴラドは新たに注がれた酒を勢い良く飲み干した。
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