魅惑のヴァンパイア

女神降臨

暗闇の世界が広がっていた。


まるで広大な宇宙に一人投げ出されたかのようだった。


歩けど歩けど、終わりは見えず、時間軸の感覚さえ鈍り、ここ(死界)に来て、一時間経ったのか、はたまた一年経ったのかさえ分からなくなっていた。


 ヴラドの腹に感じる冷たいルビーの宝石が、ヴラドが生きている証であり、目的を見失わず、正気でいられるための、唯一の外の世界との繋がりだった。




『私の内(なか)に紛れ込んだお前は誰じゃ』
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