魅惑のヴァンパイア
寝殿の奥の間には、わらわと同じくらいの年代の女子(おなご)が沢山いた。


 彼女達は一様に美しく、薄く滑らかな布地の綺麗なドレスを纏っていた。


 しかし王は滅多に人間の血を飲まなかったので、歳を取りすぎた者や容姿が不適切とされた者は、王より下の身分の食事に配分されていた。


 わらわ達には、美しく熟れた時期に王に見初められて食されるか、 ただ家畜のように生き、不適切の烙印を押されて他のヴァンパイア達に血肉を食されるか、その二つの運命しかなかった。


 選ばれても死、選ばれなくても死。


 絶望の未来しか存在しなかったはずじゃった……。

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