魅惑のヴァンパイア
「私達は好きな人物に化けることができるのですよ」


 私の心を読んだかのように、ラシードは言葉を添えてくれた。


 化ける? たぬき??


「どうしたルースカ。大丈夫か?」


 ようやく息を整えたルースカは、言葉を発しようとしたが、私を見てピタリと口の動きが止まった。


「ええと……ちょっと宜しいですか?」


 人前では言いにくい話なのだろう。


 ラシードもルースカの意を汲み取って、軽く頷いた。


「すみません。私はここで失礼します。寝室はこの奥にありますからゆっくりとお体を休めてください」
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