魅惑のヴァンパイア
 怨霊たちの間から、時々キラリと光る切っ先が見えた。


 向かってくる怨霊を切りつけ、切られた怨霊は呻きながら煙となって消えていく。


 まさか、という想いが胸に湧いて、眩暈がした。


 胸がトクン、トクンとピアノの鍵盤を叩くように鳴る。


 怨霊は全部で4体いた。


怨霊に囲まれるようにして戦っている男の人は、怨霊の姿が闇に紛れて見えないのか、剣を構えたまま顔を左右に揺らしていた。


 男の人の顔を見た瞬間、胸が大きくドクンと唸った。


ヴラドは闇を見つめたまま、表情一つ崩さない。


初めて会った時と同じように、その圧倒的な存在感と、顔立ちの美しさに胸がドキドキする。
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