魅惑のヴァンパイア
「ヴラドっ!」


「……シャオン?」


 気が付いたら叫んでいた。


 私の声に気が付いたヴラドの間合いが一瞬揺るいだ。


その瞬間を逃さず、怨霊の一体がヴラドの肩に噛みついた。


「っ……!」


 ヴラドの眉が寄る。


 私、なんてことを!


 私のせいだ。


ヴラドを助けに来たのに、なんてことを。


 私は真っ青になって、ヴラドの肩に噛みつく怨霊に向かって突進して行った。


「シャオン、来るな!」


 ヴラドの大きな声が、闇を振動させる。


以前の私なら、その声に驚いて立ち止まってしまったかもしれない。


でも今は、守られる存在にはなりたくなかった。


私がヴラドを守ってあげたかった。
< 357 / 431 >

この作品をシェア

pagetop