魅惑のヴァンパイア
「ヴラドから離れてっ!」


 直視すると怖いので、目をぎゅっと瞑って怨霊の頬を殴るようにペンライトを振りかざすと、光が私の気持ちに共鳴して大きく光った。


 一瞬の閃光が闇を照らす。


すると、ヴラドに噛みついていた怨霊が、断末魔の悲鳴を上げて、燃えるように煙となって消えた。


 光によって、周りが見えるようになったヴラドは、たった二振りで三体の怨霊を切り裂いた。


切られた怨霊が煙となって消えていった時、光の届かない遠くの方で、ドロリとした液体のような物体がさささと逃げていくのが横目で見えた。


 私は一気に緊張から解き放たれて、足の力が抜け、ガクンと座り込んだ。
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