魅惑のヴァンパイア
「シャオン! 大丈夫か!?」


 ヴラドが心配して膝を折り、私の両肩を支えた。


「だ、大丈夫。なんか、安心したら急に膝が震えて……。それよりヴラドは大丈夫?」


「え?」


「噛まれた所、痛くない?」


「ああ、これか。こんなの大したことない。そんなことより……」


 ヴラドはまじまじと私の顔を見つめてきた。


 きれいな顔が目の前にあって、ドキドキしてしまう。


「……本当にシャオンか?」


 蒼い瞳が揺らめいている。


瞳の奥に私が写っているのが見えて、怖かった気持ちが、嬉しさへと変わっていく。


 ヴラドだ。ヴラドに会えた。


 胸の奥が熱くなって、涙が溢れてきた。


涙を指の腹で拭いながら、「そうだよ」と笑顔で言った。


「物の怪じゃないだろうな」


「失礼な。本物かどうか、ヴラドは分からないの?」


「……うむ。シャオンだとは思うのだが。どれ、ちょっと味見をしてみよう」
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