魅惑のヴァンパイア
「ヴラド……あれ……」


「ああ、分かってる。気にするな」


 ヴラドは鋭い瞳をしながら、前を真っ直ぐに見つめて走っていた。


 気にするなって……。


でも、アレ、どんどん大きくなってるよ。


 言葉には出せなかった。


大きくなっているという事実に向き合うのが怖かったからかもしれない。


 姿が見えないけれど感じる、底知れぬ怨念。


どうしてずっと付いてくるんだろう。


対峙しようとすると、逃げられる。


何がしたいのかさっぱり分からない。


 早くあの怨霊から離れたくて、走るスピードを速めた。
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