魅惑のヴァンパイア
『憎い。憎いぞ。お前が憎い』 


 王妃の大きな手が、ヴラドの頭に振ってきた。


こんな大きな手に踏まれたら、体が潰れてしまう。


 ヴラドは剣を頭上に持ち、大きな手を支えるように切りつけた。


すると、手は真ん中から二つに切れて割けていった。


しかし、切った所から黒いマグマのように液体化し、ドロドロの物体はヴラドを飲み込んでいく。


「ヴラドっ!」


「来るな! シャオン!」


 ボトボトと落ちる黒い物体は、ヴラドの足元に固まっていった。


そしてそこから無数の手が出てきて、ヴラドの身体を闇の中へ引きずり込んでいく。
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