魅惑のヴァンパイア
二人でペンライトを固く握った。


そして祈った。


恐らく、お互い同じことを。


「ヴラドを助けたい」
「シャオンを助けたい」


 想いあう気持ちが一つとなって、ペンライトから光が溢れ出した。


 神々しい大きな光だった。


 光を恐れる骸骨たちは、地響きのような悲鳴を上げた。


ヴラドを手放して、一目散に下へと逃げていく。


逃げ遅れた骸骨は、煙となって消えていった。


 骸骨が逃げている間をぬうように、底の方から、本来の大きさに戻った王妃が、物凄い勢いで上がってきた。


 恐ろしい顔付きで泳ぎ、手を伸ばしている。


上がれば上がるほど、光に当たってしまうのに、王妃は苦悶の表情を浮かべ、呻きながら追いかけてくる。


恐ろしいほどの執念だった。



王妃が伸ばした手が、じゅっと焼けるように消えていき、王妃の半分焼けただれた顔も消え、やがて、身体全部が煙となって消えていった。


 大きな光は、私たちを包み込んで上へと押し上げた。

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