魅惑のヴァンパイア
*  *  *


 唇に柔らかな温もりを感じた。


 目を開けると、真っ白な光の世界が広がっていた。


「ここは?」


 ヴラドは上半身を起こして、辺りを見渡した。


光の粒が、ゆらゆらと同じ方向に向かって泳ぐように移動している。


「ここが光の道か……」


 ヴラドは口に出して、ハッと重要なことを思い出した。


「シャオン!?」


 立ち上がり、大きな声で呼んでも返事はなかった。


 唇に感じたあの温もりは……。


 ヴラドは唇を噛みしめ、ぐっと前を向いた。


 ……戻ろう。シャオンの元へ。


 ヴラドは、光の粒が向かう反対方向へと歩き出した。

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