魅惑のヴァンパイア
「バド? バドなら途中で拾ってきたぞ?」


「……へ?」


 涙目になっていた顔が間抜け顔になって止まった。


 ひ……拾った??


「おい! バド!」


 ヴラドが後ろを向いて森に叫ぶと、黒い人影が姿を現した。


 黒いスーツに細い瞳。


品行方正なその姿は、紛れもなく執事バド・ツェリスだった。


「バ……バド!?」


 名前を呼ぶと、バドは恥ずかしそうに、にっこりと笑ってお辞儀をした。


「ああああ、私やっぱり夢でも見てるのかな!?」


「夢じゃないさ。バドが死んだって思っているなら、それはたぶん本当のことだろうな」


「え?」
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