魅惑のヴァンパイア
ヴラドはニヤリと唇を上げた。


ラシードは真っ青になって床を見つめていた。


皆が驚いた表情でラシードを見た。


「なんだ、結社の者達ですら知らなかったのか。お前の血筋を」


 強張った空気の中、ヴラドだけが落ち着き、愉快そうにも見えた。


 ラシードはわなわなと震え出した。


「俺の父、すなわち王は、愛する者を死の呪いによって失い落ち込んでいた。そんな時出会ったのが、お前の母だったらしいな」


 ラシードは拳を握りしめ、観念したように瞳を上げた。


 清々しい、透き通るような瞳だった。


「……何もかも、知ってしまったようですね」


ラシードの言葉に驚いたのは、結社の者達だった。


中でも一番驚いていたのは、結社の精鋭部隊。


司令官が王子だったことを知り、慌てて跪いた。
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