魅惑のヴァンパイア
「毒なんか入ってないさ。飲んでみろ」


恐る恐る一口咽に通すと、甘い香りが口の中に広がった。


「おいし……」


ヴラドは頬杖をつきながら、優しく目を細めた。


こうなったらもう、食べるしかないと踏んだ私は、渡された食事をとにかく食べ続けた。


「美味しい! こんなの食べたことない!」


「お前は色気より食い気だな」


「酷い!」


でも確かに、この舞踊会が人間の集まりでも、私は皆の輪に入らずに、こうして食べていただろうなと思った。


こんなに着飾ってもらったのに、中身がこんなのじゃ申し訳ない。
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