都会の魔女
そこまで聞いてイシュは呆れた様子で言った。

「なるほどね。
聞いたことがあるわ。

昔 食い意地の張った小悪魔が、ご主人さまの物をくすねて怒りをかい
罰を受けて追い出されたって笑い話。

あなたの事だったのね。」

イシュはクスリと笑った。

「あー、今笑ったでしょ。

僕にとっては、笑い事じゃないんだから。」

「ごめんなさい。
でも、それで私にどうしろと?」

「実は・・・
僕にかけられた呪いを解くには、君たち、魔女の涙が必要なんだ。」

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